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  • 執筆者の写真田村陽太

【第49回】海外企業とのコミュニケーションの仕方(面談編)


こんにちは。サンキャリア代表の田村です。



本日のテーマは、これから海外マーケットで事業を行っていく中小企業が、海外案件を獲得していく為に重要な「海外企業とのコミュニケーションの仕方(面談編)」についてお話していきたいと思います。



前回のブログで、海外企業から筋の良い引合をしっかりと判別し、自社が海外企業と良いビジネス関係を築いていく為の第一歩のお話をお伝えしました。



今回は海外企業からの引合に対して、自社として今後良い関係を築いていきたいと決断し、海外企業と商談のアポを取った後、実際に相手企業とどのように商談を進めていけば良いかのポイントやコツについてお話をしていきたいと思います。



海外の企業からの引合が来て商談を始めた際に良くある事は、「バイヤー」だと思っていたら、相手からの「売り込み」で商談が上手くいかなかったという事例です。



引合のメールでは、「あなたの会社の商品やサービスが欲しい」「あなたの商品が本当に必要な会社と弊社はコネクションを持っている」と言っていたのに、実際に商談の場となると、「うちの商品も買ってほしい」「弊社の関係会社をあなたの会社に紹介させて頂きたい」と相手企業から反対に売り込まれるようなケースです。



一見この「売り込み」という言葉は悪いイメージのように思われますが、ビジネスをしている以上、この「売り込む」という行為は会社の事業活動として当然の事と理解しておくことは重要です。



例えば、直接顧客に「買ってください!!」と売り込んでいないにしても、SNSやHP、広告媒体等の販促活動を利用して間接的に企業は顧客に売り込んでいる訳で、自社の製品やサービスを売り込んでいない企業は皆無と言って良いでしょう。



ここでお話したい事は、「売り込み」と悪いイメージを持たせてしまう一番の要因は、「相手企業」ではなく、「自社」にあるという事です。



「会社の利益を高める為には売上を高めなければならないので、いかに相手企業に自社の商品やサービスを売れるか、そして自社はいかに無駄な経費を使わないか」という、「いかに自社の痛手を負わずに収益を獲得したい」という思想がに無意識に社内に根付いている企業も多いかと思います。



これは日本企業の約半数は機能別(職能別)組織という営業部や技術部、製造部等、業務内容別に編成した組織を導入している事も一例として影響しているのではないかと個人的には考えています。



具体的には、会社全体の利益ではなく、自らの部署のあらかじめ定義された役割や責任を達成する事にまず目標が置かれていて、自部署の役割と違う事はやるべきでない、そして部署の効率化の為にいかに利益を高められるかという短期的な視点で各従業員が業務を行ってしまう事も影響しているかと考えています。



話を戻しますと、相手企業からの売り込みは、会社全体の経営を良くするという視点で考えると、良いスパイスとなる可能性を秘めている事を前提に、商談時に従業員が意識を向けておくことが非常に重要です。



商談時に相手の海外企業からの製品の売り込みがあった際にも、たとえ自社の製品やサービスを購入してもらえなくても、他の部署、例えば技術部や部品の購買部等には有益な情報なのでないかという視点で商談を行う事が、自社の今後の海外ビジネスに良い影響を及ぼしていきます。



その理由としては2つあります。



一つは、その企業が本当に信頼に足る企業なのかを判断する事が、海外企業とのやり取りだと距離的・時差的な問題から判断しにくいためです。



海外企業の顧客に対する姿勢や財務体質等もコミュニケーションを重ねる事で見えてくることがあります。



今後その企業に対して自社の製品を買ってもらう立場になった際に、海外企業が本当に入金してくれるのだろうか、コンスタントに発注してくれるような売上規模なのか等を事前に判断しておくためにも、たとえ売り込みのお話でも商談時に受け入れる事が重要です。



二つ目は、日本の企業と比較しても、海外の企業はビジネスの上で非常に大事にしている事は「信頼」だからです。短期的に売買をして会社同士の関係が終わるのではなく、「会社の商品やサービスを購入してもらって会社がこんなに良くなった、こんな事業に取り組めるようになった」等の会社同士の長い付き合いを求める傾向が強いからです。



時には自社の製品を売る立場に回る事もあれば、買う側に立つこともある等、お互いの会社がWin-Winになれるような信頼がおける関係性を海外の企業は求めるので、相手企業からの売り込みであっても快く受け入れる姿勢が非常に重要です。



まとめますと、海外企業と商談を行う前には、まず相手の会社の事業概要や取引先、導入事例やニュース等に目を向ける事はもちろん、自社の各部署に「〇〇の海外企業と商談を行う予定だが、その部署にとって必要なサービスや商品が無いか」等聞いておきたいことが無いかのヒアリングや情報共有を行っておくことが非常に重要です。



本日も読んでくださいましてありがとうございました。




執筆者:田村陽太(社会保険労務士)



産業機械メーカーの海外営業、社労士法人での勤務経験後、社労士事務所を開業。海外駐在員や外国人社員の労務管理、外国人留学生・技能実習生の就労支援等、企業の国際労務・海外進出対応に強い。ラジオDJ、ナレーター、インタビュアー、番組MC・ナビゲーター等、音声メディアや放送業界でも活動。また、番組プロデューサー、ポッドキャストデザイナーとしてPRブランディング事業も手掛ける。



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