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  • 執筆者の写真田村陽太

【第80回】Youtubeゲスト出演放送後記(会社と社長のお金を増やすチャンネル 残業代、有給、給与で気をつけること後編 )


こんにちは。サンキャリア代表の田村です。



今週も前回の続きで、今年の9月に、福岡県福岡市を拠点に海外取引や資金調達が得意な税理士として活動されているオルケスタ税理士法人代表社員の山下久幸さんのYoutube番組「会社と社長のお金を増やすチャンネル」にゲスト出演させて頂きました内容の『人事労務シリーズ1回目 残業代、有給、給与で気をつけること』の後編の放送後記を語っていきたいと思います。



Youtube番組の内容を聞きながら読んでいただけると、より理解が深まると思いますので、下記にリンクを掲載しておきます。



Youtube番組 「会社と社長のお金を増やすチャンネル」

『人事労務シリーズ1回目 残業代、有給、給与で気をつけること』のリンクはこちらです。


https://youtu.be/t07Xz5LH6vw



◆残業って1分単位?30分単位で切り捨て出来る?



本来各従業員の労働時間は、秒単位、分単位、時間単位で管理する事が前提となります。ですので、その従業員が就業時間を超えて〇時〇分まで働いたという事が証明できるのであれば、事業主は雇用契約で定められる就業時間から〇時〇分までの残業時間分の残業手当を支払わなければなりません。



ただ、この〇時〇分まで働いたのかどうかという証明を事業主と労働者が両者とも合意する事は非常に難しく、事業主としては「会社は命令していないけど従業員が勝手に残業したものだ。」と思っていたとしても、単にタイムカードの打刻しか勤怠管理書類が残っていない場合は、労働基準監督署の立ち入りがあった際にも黙次的な指示があったとして従業員の残業が認められる可能性が高くなります。



ですので、この残業なのか残業でないのかという「曖昧」な部分を残さない為に、残業をする際の社内の「許可制」の運用を厳格に行う事が重要です。



たとえば、①始業時の朝礼での残業許可②就業時間中に突発的な残業が分かった際の残業許可、大きく二つの場合の残業が社内的に考えられるかと思いますが、その際の許可申請フォーマットをしっかり作成する事や残業した際の報告書を必ず従業員に提出させる事は重要です。



◆有給休暇のお話

2019年4月の法改正で、1年間で有給休暇を10日以上取得した従業員は、自分で使用するか、会社の年間カレンダー等で休暇を指定して使わせる等して、年間5日以上有給休暇を取得させることが会社の義務とされました。



1日単位で有給休暇を取得させるもしくは半日単位で有給休暇を使用して計5日以上使用させることが義務化されました。時間単位で取得した有給休暇に関しては本5日以上使用の対象の有給の日数に含まれないので、注意が必要です。



その理由として、有給休暇は労働者の体を休ませることが第一ですが、時間単位有給休暇は、体を休ませる目的よりは急な家庭の諸事情で従業員を休ませる事が休暇の目的として多いので、本5日の使用義務の対象外とされています。



また半日単位有給と時間単位有給は会社が必ず導入しなければならない制度ではなく、あくまで会社任意の制度となっております。ですので、たとえ従業員が半日だけor〇時間だけ有給を取得したいと言われた際にも1日単位で有給を消化する事は法律上特に問題はありません。



◆給料の減額のお話

「お給料を減額する事は、従業員の既得権益を阻害するので不可能だ。」というネット記事や言い伝えが良くありますが、これは厳密には間違っております。雇用契約は使用者と労働者がお互いに雇用内容に合意した上で納得すれば成り立つ諾成契約と呼ばれる契約なので、労働者が給与の減額について納得すれば減額する事は可能です。



この雇用契約は本来どうあるべきかを詳しく規定した法律が労働契約法で、本契約法第4条で、



「使用者は、労働者に提示する労働条件及び労働契約の内容について、労働者の理解を深めるようにするものとする。」


第10条では、

「使用者が就業規則の変更により労働条件を変更する場合において、変更後の就業規則を労働者に周知させ、かつ、就業規則の変更が、労働者の受ける不利益の程度、労働条件の変更の必要性、変更後の就業規則の内容の相当性、労働組合等との交渉の状況その他の就業規則の変更に係る事情に照らして合理的なものであるときは、労働契約の内容である労働条件は、当該変更後の就業規則に定めるところによるものとする。」と記載あります。



つまり給料を減額する際には、



・会社がなぜ給与を減額するのか

・減額以外に他に取りうる選択肢はなかったのか、実際に会社は他の選択肢で対処したのか

・他の従業員と比較して本減額は妥当なのか

・労働者側への説明が突発的でなく事前に段階的な周知等があったのか



どうかが問われます。必ずしも給与を減額する事は不可能ではないですが、会社としては従業員に必ずその減額の根拠を当該従業員に伝え、その根拠が使用者労働者と関係ない第三者が事情を聞いた際にも減額が妥当である事を理解できる程の、論理的な対処策である必要がある事は間違いないでしょう。



本日は、『人事労務シリーズ1回目 残業代、有給、給与で気をつけること』の後編の解説を行いました。次回は『人事労務シリーズ2回目 解雇・退職・パワハラなど気をつけること』の解説をしていきたいと思います。



執筆者:田村陽太(社会保険労務士)



産業機械メーカーの海外営業、社労士法人での勤務経験後、社労士事務所を開業。海外駐在員や外国人社員の労務管理、外国人留学生・技能実習生の就労支援等、企業の国際労務・海外進出対応に強い。ラジオDJ、ナレーター、インタビュアー、番組MC・ナビゲーター等、音声メディアや放送業界でも活動。また、番組プロデューサー、ポッドキャストデザイナーとしてPRブランディング事業も手掛ける。



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