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【第259回】『労務管理Q&A~「社員のやる気」を高めるためにどうすれば良いか?⑤~』

  • 執筆者の写真: 田村陽太
    田村陽太
  • 5 日前
  • 読了時間: 4分


こんにちは。サンキャリア代表の田村です。



本日は『労務管理Q&A~「社員のやる気」を高めるためにどうすれば良いか?⑤~』についてお話ししたいと思います。



前回までは、【やる気を引き出すために、従業員側に求められるスキルや姿勢】として、以下の3点をお伝えしました。



① 各業務で身につけたスキルを自分自身で言語化しておく

② 身につけた業務内容を、他の同僚や上司に説明・教育する習慣を持つ

③ 第三者に対して、自身の業務をわかりやすく説明できるスキルを持つ



今回は、②について掘り下げてお話ししていきたいと思います。



②の「身につけた業務を他者に説明・教育する習慣を持つ」についてですが、日頃、自分が行っている業務内容や学び、重要だと感じたことを、定期的に上司や同僚へ共有することが非常に重要です。



①で紹介した「業務内容を言語化する習慣」とあわせて、実際にそれをアウトプットとして説明する機会を持つことで、理解が深まり、定着度も高まります。



読者の皆さんもご経験があるかもしれませんが、文章で書ける内容でも、いざ口に出して説明しようとすると「あれ?よく分かっていなかったかも」と気づくことって、ありますよね。



それだけ、「言葉にして伝える」という行為は、自分の理解を試すものでもあり、また聞き手の理解を得るという意味でも高度なスキルが求められます。



文章は、多少曖昧でもなんとなく伝わります。



しかし、会話ではそうはいきません。話し言葉は即時性がある分、相手にとって「分かりやすく伝わっているかどうか」がすぐに分かります。



だからこそ、話しながら自分でも「今日は伝え方が良かった」「うまく伝わらなかったな」と感じる機会が増え、表現力や理解力を磨くチャンスにもなります。



日々の業務を言語化し、それを同僚や上司に説明する習慣を持つことで、



・今の自分の理解度の「現在地」がわかる


・フィードバックを受けて改善点が明確になる


・結果として、自己効力感(=自分にはできる!という感覚)が高まる



といった良い循環が生まれ、仕事へのやる気アップにもつながります。



また、説明をして相手から質問を受けたり、理解の反応を観察することで、自分の説明の具体性や論理の筋道を客観的にチェックすることができるのも大きなメリットです。



とくに、予想していなかった質問に臨機応変に答える経験を重ねると、自己有用感(自分は組織の役に立っているという感覚)が高まり、モチベーションにも直結します。



このような「他者に説明する習慣」を育むためにも、日々の報連相(報告・連絡・相談)を丁寧に行うことがとても重要です。



日報・週報・月報などの進捗報告においては、単に「今こうなっています」だけでなく、



・どうしてその結果になったのか


・なぜそのやり方を選んだのか


・今後どう改善できるか



といった背景や理由をあわせて伝える習慣を持つことで、説明の深みや構成力が身につきます。


もし社内で可能であれば、ジョブローテーションを定期的に取り入れることも有効です。


最低でも年に1回、業務を大きく入れ替えるような機会を設けられると、以下のような効果が期待できます。



・業務のマンネリ化を防ぎ、モチベーションが上がる


・引き継ぎを通して、これまでの業務の理解を深める


・「来年も引き継ぎがある」と思うことで、日々の仕事への緊張感が生まれる



仕事が“自分ひとりで完結するもの”だと錯覚しがちですが、実際は顧客・社内メンバー・上司など多くの他者との協働によって成り立っています。


だからこそ、他者を常に意識した仕事の進め方が、結果的に自身の成長とやる気向上に直結するのです。



本日は『労務管理Q&A~「社員のやる気」を高めるためにどうすれば良いか?⑤~』についてお話ししました。次回も引き続き、続編をお届けしたいと思います。





執筆者:田村陽太(社会保険労務士)



産業機械メーカーの海外営業、社労士法人での勤務経験後、海外駐在員や外国人社員等のグローバルに働く社員が輝ける職場づくりを人事面からサポートしたいという想いで、社労士事務所を開業。海外駐在員や外国人社員の労務管理、外国人留学生・技能実習生の就労支援等、企業の国際労務・海外進出対応に強い。番組プロデュース、ポッドキャストデザイン等のPRブランディング事業も手掛ける。株式会社サンキャリア代表。



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