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  • 執筆者の写真田村陽太

【第40回】海外駐在員が現地社員をうまくマネジメントするには?(後編)


こんにちは。サンキャリア代表の田村です。



本日は海外駐在員を抱える日本企業が課題としている「海外駐在員が現地社員をうまくマネジメントするには?(後編)」をお話させていただきます。



海外駐在員に対して現地ローカル社員が期待するもの、それは「キャリア育成の重要性」である事を前回お伝えしました。日本企業の現地法人で働く事でいかに自身が成長できるかをローカル社員に意識させられるかが、海外駐在員が現地ローカル社員をマネジメントする上での目標の一つと言えるかと思います。



日本企業の人事部として海外駐在員に対して現地ローカル社員を研修する上でもう一つ重要な事があります。



②海外駐在員が心から尊敬できる存在だと認識してもらう事



長年日系企業の現地法人のローカル社員として働くベテラン級の社員からよく聞く不満として、「自分はこんなに頑張って働いているのに、何でこの駐在員の方が給料は高いんだ?」という不満です。



日本企業は世界の企業と比較すると、世界的に変わった働き方だと言われています。自身のアウトプット(成果)を重要視する海外の企業と違い、日本企業は成果に対するプロセス(過程)を大事にするところも一つです。



また、成果の為には手段を厭わず効率よく業務をこなす事が善とする海外の企業に比べて、日本企業は報告連絡相談を重視し、いかに一緒に関わるメンバーに対して自身の業務を遂行していくプロセスを理解・納得してもらい、会社全体で動いていく事が重要である事も一つです。



そんな働き方に関して違う価値観を抱く現地ローカル社員に対して、日本流の働き方で海外駐在員がローカル社員をマネジメントすると、先述したような給料に対する不満が高まったり、海外駐在員に対しての信頼を無くしていったり、愛社精神が薄くなったりと働くモチベーションが下がってしまう原因の一つです。



そのような事を防ぐために、海外駐在員はローカル社員一人一人が働く上で大事にしている事、得意な事、考えのプロセスに対して尊敬し、しっかりと理解してあげる事が重要です。



そして、ローカル社員から海外駐在員が尊敬してもらうためには、海外駐在員がべったりと日本本社側の人間であると思わせるのではなく、海外事業を攻略するためには現地法人のローカル社員の力が必要だと考えている海外駐在員、「現地法人のやり方にも配慮してくれる人間」であると思わせる事が重要です。



海外駐在員を配置している企業の業種によって海外駐在員がやるべき業務は様々ですが、海外現地法人が本来事業を運営していく上でやるべきだと考えていることが、日本本社の意向によって叶えてあげられない場面も多く発生します。



その際にでも、いかにローカル社員の意見をくみ取って、時には日本本社と意見を闘わせる姿勢を持つ海外駐在員に対しては、ローカル社員もこの会社をこれから自分の力で大きくさせる事が出来るのではと働くモチベーションがさらに高まります。



またそれだけでなく、海外駐在員自身が必死に現地法人で働いている姿を見せ、売上目標を必達する等、現地法人の代表として「さすが海外駐在員」だとローカル社員に感じてもらえるよう必死に働く姿勢を見せ続ける事が非常に重要です。



また必死に働くだけでなく、ワークライフバランスを重視する事も重要です。外国人は仕事と家庭での時間をきっちりと分けて効率よく仕事をしたいという方も多いです。定時までに自身の業務を完遂させ生産性高く働く事も海外駐在員が現地ローカル社員から尊敬される大事な事の一つです。



以上、海外駐在員が現地社員をうまくマネジメントするには?(後編)」をお話させていただきました。これからも海外事業を行う日本企業の人事部の皆様にとって為になる事を発信していきたいと思います。引き続き弊所のニュースを宜しくお願いいたします。




執筆者:田村陽太(社会保険労務士)



産業機械メーカーの海外営業、社労士法人での勤務経験後、社労士事務所を開業。海外駐在員や外国人社員の労務管理、外国人留学生・技能実習生の就労支援等、企業の国際労務・海外進出対応に強い。ラジオDJ、ナレーター、インタビュアー、番組MC・ナビゲーター等、音声メディアや放送業界でも活動。また、番組プロデューサー、ポッドキャストデザイナーとしてPRブランディング事業も手掛ける。



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